初めてパレスチナ入り

入国時のエピソード

入国時、ヨルダンからイスラエルのボーダーでの事です。
色々な都合で一般ビザで観光客と言って入国しなければならかった時です。というのもフェスティバルがパレスチナのフェスティバルだったので、入国時正直に話すと空港警備のイスラエル兵に邪魔される可能性が高いからです。
芝居の道具で7フィート四方の立方体のキューブの鉄枠をつかってたのですが、その関節部分の金具を手持ちでもっていかなければならず、案の定税関でとめられました。
『この変な金具は何に使う?』
ここで正直に話せば道具を没収される可能性が。。。
『エルサレムの広場には大勢人がいると聞いて来た。広場で大道芸のマジックをやりたくて、その道具だ』
ライフルを持ったイスラエル兵の表情がゆるんだ。
『マジックは大好きだ。今ここでみせてくれ』
困った。仮でもできる事はない。。。
『………準備に一時間はかかる。それでもかまわなければ。』
残念そうなイスラエル兵。
『それじゃ仕方ない。もう行っていい』

という訳で無事入国できました(笑)


帰りのエピソードです。

最初イスラエル国内パレスチナ自治区に入った時は、主には打ち合わせと顔合わせ目的でした。
ヨルダンでの公演で初めてパレスチナのダンスカンパニー『エルフヌーン』の連中と共演して、すごく仲良くなったので、将来的に一緒にやりたくヨルダン公演後パレスチナに渡りました。
スタジオをみせてもらい、ダンスカンパニーの人達に会い、レッスンを見学させてもらい、夜は一緒に酒を呑み。。。
数日したらパレスチナのダンスカンパニー『エルフヌーン』のトルコツアーに出発の予定があるようでした。
ツアーバスがヨルダンを通過して行くと聞いたので、ヨルダン国内まで乗せてもらえないかと頼んでみました。
気の良い連中は即答でOKを。ただし、ボーダー越えの際にだけ別行動に…と。
理由はパレスチナのダンスカンパニーの国外での公演自体かなり難しいのに、そこに日本人がいては尋問にあってしまい予定通りに進めない可能性が高いから…と。
約束通りボーダーで一度バスを降り、ヨルダン入りしたらまたバスに乗る約束をして別れました。
しかしそこで失敗してしまいました。
ボーダーの施設の少し手前で降りたのですが、それをイスラエル兵にみられてしまっていました。
パレスチナ人のボーダー越えのゲートと僕の様な外国人のゲートは別々です。
そこの別れるところで僕だけがイスラエル兵に呼び止められてしまいました。
イスラエル兵『何故パレスチナ人の車から出てきたのか?』
僕 『数十メートル手前で道を聞いて一瞬同乗させてもらっただけだ』
イスラエル兵『嘘をつけ。奴らと友達だろ?』
このやりとりはパレスチナの連中も見守ってました。
なので、彼らに聞かれたくない答えをしなければならないのが心中辛かったです。
今思えば、きっと彼らにとっては日常茶飯事な事なのでどう答えても大丈夫だったと思うのですが。。。
僕 『友達じゃない。僕は彼らを知らない…』
こう言うのが嫌だったし、パレスチナの連中に聞かれたくもなかった。
パレスチナの仲間 『本当だ。俺達はこの東洋人を知らない』
そう言う彼らを邪魔に思ったイスラエル兵はライフルの柄の部分で犬でも追い払うような態度をとりました。
さすがにこれに我慢ができず、ついイスラエル兵の行動を制してしまいました。
僕 『おい!やめろって!!』
イスラエル兵は僕にツバを吐きかけました。
これは、本当にド頭きました。手が出るギリギリでした。
しかし、もし手を出してしまい、パレスチナの連中が加勢しようものなら暴動になりかねません。
さすがに、僕は両手を上げ誤解だと訴えました。
友達を友達だとも言っていけない。
友達が犬扱いされても怒れない。
パレスチナの連中にとっては日常なこの出来事。
僕は本当にショックでした…。
何故迫害の歴史をもつユダヤ人達が、こんな風にアラブ人達を迫害するのか。。。
何故、人間は学べないのか。。。
いつも利己的な見解しかできず戦争や紛争がたえないのか。。。
こんなきれいごとの意見は、東の外れの島国の人間の意見なんでしょう。
しかし悲しかったです。本当に。。。